旧暦の正月である今月25日(土)に、豊穣の芸能である能『賀茂(半能:御田)』と、
韓国の芸能「農楽」の公演を国立能楽で行います。
能『賀茂』は、別雷神(わけいかづちのかみ)をシテとする能です。雷神でもある別
雷神は、稲光という言葉があるように「稲」とも関係の深い神です。
さらに今回は間狂言に『御田』という田植えを模した特殊演出を行います。華やかに
着飾った早乙女さちが登場して、まるでファッションショーのような華麗な曲です。
その早乙女たちがみんなで謡ったりするので、うきうきと、楽しい、まさに旧暦の正
月にふさわしい作品です。
ちなみに、後半の神職と乙女たちとの謡の掛け合いには、昔の歌垣の記憶を残してい
るような、ちょっと卑猥な内容が隠されています。しかし、そのままではわかりにく
いので、寺子屋でそこら辺を解説していきたいと思っています。
また、歴史学者の保立道久先生(東大名誉教授)にも「日本と韓国の神話と民俗」と
いうテーマでお話をいただきます。