明けましておめでとうございます。能の安田です。

昨年中は、寺子屋をはじめ、さまざまなイベントで大変お世話になりました。本年も
どうぞよろしくお願いいたします。

▼十二支の最初の歳

今年は子(ね)の歳。十二支の始めの歳です。心機一転、十二年計画で何かをはじめ
るのもいいかもしれません。

また、日本神話では、野に入った大国主の命(みこと)が、スサノオの命に火を放た
れ、逃げ場がなくてにっちもさっちもいかなくなっていたときに、ネズミがやって来
て、「内はほらほら、外はすぶすぶ(内側はぽっかりあいていて、外側はきゅっとす
ぼまっている)」と歌いました。そこで、その地を踏んだところ、その下が洞窟にな
っていて命が助かったという話が『古事記』に載っています。

大変なときに助けてくれるネズミ、その年です。表面的にはすぼまっている、すなわ
ち大変な状態でも、その中は開けているかも知れない、そんなことを教えてくれるネ
ズミの歳です。

いまがちょっと大変な人も、そんなネズミの言葉に耳を傾けてみて、足元をドン!と
踏んでみると、何か活路が開けるかもしれません。

▼今月のイベント

さて、今年もいろいろな活動がありますが、まずご紹介したいのはBMIA(ビジネスモ
デルイノベーション協会)主催のイベント「論語で学ぶイノベーティブマインド」と、
今月は3回行う寺子屋、そして「天籟(てんらい)能の会」特別公演がございます。

また、東京以外ですが、大府(愛知)のおおぶ交流の杜図書館でも、すごいイベント
が用意されています。

●「論語で学ぶイノベーティブマインド」
8日(水)あ、明後日ですね。

渋谷の「CONCEPT BASE Shibuya」で上記の講座をします。20名くらいしか入れない小
さなスペースなのですが、能舞台のような舞台があります。

1時間は『論語』とイノベーションの話、30分はパフォーマンスをします。パフォー
マンスには笙の川上彩子さんをお招きし、『夢十夜』第一夜に笙を入れた演出で行い
たいと思っています。また、鳳凰にも見立てられる笙の魅力についてもお話をうかが
います。

●寺子屋
今月の寺子屋は3回あります。

・9日(木)初笑寺子屋
落語家の立川志のぽんさんをお招きして、落語『高砂や』で初笑をしていただきます。
落語『高砂や』は、能の謡「高砂や」を知っていると、より面白くなるので、前半は
能『高砂』について安田がお話し、みなさんと「高砂や」の謡の稽古をします。そし
て、後半で立川志のぽんさんに落語『高砂や』をお願いします。

・15日(水)天籟能の会寺子屋(1)
1月25日(土)に開催される天籟(てんらい)能の会は、能『賀茂(半能)』と韓国
の農楽です。能の『賀茂』には、間狂言で『御田(おんだ)』が演じられます。15日
の寺子屋では農楽の研究者の神野知恵さんにお出ましいただいて、韓国の農楽につい
てお話をうかがいます。また、奥津健太郎さんによる『御田』のお話もあります。

・20日(月)天籟能の会寺子屋(1)
この日の寺子屋は、シテ方観世流の清水寛二さんをお招きして、能『賀茂』について
のお話を伺います。

●天籟(てんらい)能の会
旧暦の正月である今月25日(土)に、豊穣の芸能である能『賀茂(半能:御田)』と、
韓国の芸能「農楽」の公演を国立能楽で行います。

能『賀茂』は、別雷神(わけいかづちのかみ)をシテとする能です。雷神でもある別
雷神は、稲光という言葉があるように「稲」とも関係の深い神です。

さらに今回は間狂言に『御田』という田植えを模した特殊演出を行います。華やかに
着飾った早乙女さちが登場して、まるでファッションショーのような華麗な曲です。
その早乙女たちがみんなで謡ったりするので、うきうきと、楽しい、まさに旧暦の正
月にふさわしい作品です。

ちなみに、後半の神職と乙女たちとの謡の掛け合いには、昔の歌垣の記憶を残してい
るような、ちょっと卑猥な内容が隠されています。しかし、そのままではわかりにく
いので、寺子屋でそこら辺を解説していきたいと思っています。

また、歴史学者の保立道久先生(東大名誉教授)にも「日本と韓国の神話と民俗」と
いうテーマでお話をいただきます。

●「夢幻百物語 小泉八雲」
1月12日(日)に、愛知県大府市にある「おおぶ交流の杜図書館」で小泉八雲のイベ
ントがあるのですが、これがすごい。

まずは講演が東雅夫さんと小泉凡さん。

そして公演が、百鬼ゆめひなさん(人形)、玉川奈々福さん(浪曲)、塩高和之さん
(琵琶)、そして安田による「雪おんな」と「耳なし芳一」です。

ちょっと無理をしても、いらっしゃる価値のある公演だと思います。ぜひ!

●AIと文化を考える公開シンポジウム
ちょっと変わった催しにも参加します。佐倉統先生(東大)が中心になって、理研で
「AI文化研究会」が行われています。その公開シンポジウム《AIと身体性、AIの身
体性、AIと社会の身体性》が1月21日に開かれます。

「能の身体性」についてお話をします。

https://c5dc59ed978213830355fc8978.doorkeeper.jp/events/101840

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▼「論語で学ぶイノベーティブマインド」
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【日時】2020年1月8日(水)19:00~20:30
【出演】安田登、川上彩子ほか
【場所】東京都渋谷区渋谷1-1-16 若草ビルB館 1F Concept Base Shibuya
※表参道駅(B2出口)から徒歩7分、渋谷駅から徒歩7~10分
(会場へのアクセス詳細は下に記載しております)
【参加費】3,000円 ※BMIA会員は無料でご参加いただけます。

https://pre-olympia001.peatix.com/

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▼寺子屋
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・9日(木)初笑寺子屋
ゲスト:立川志のぽんさん
落語『高砂や』、能『高砂』ほか

・15日(水)天籟能の会寺子屋(1)韓国の農楽
ゲスト:農楽の研究者の神野知恵さん
奥津健太郎さん:『御田』のお話もあります。

・20日(月)天籟能の会寺子屋(1)能『賀茂』
ゲスト:シテ方観世流の清水寛二さん

東江寺(広尾) 東京都渋谷区広尾5-1-21
受講料:お賽銭(お賽銭箱にご自由にお入れいただきます)

飛込みも歓迎ですが、参加お決まりの方は以下にメールをいただけると、テキスト準
備の都合上、たいへん助かります。

info@watowa.net

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▼天籟能の会:半能『賀茂(御田)』と農楽
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1月25日(土)開演14:00
5,000円(全席自由)

・半能『賀茂』 間狂言『御田』

・農楽
門クッ(入村儀礼)
成造プリ(家の神の讃歌)
パンクッ(農楽合奏)
コッカルソゴチュム(花笠小鼓舞)

・お話 保立道久(東大名誉教授)

お申込みは:

noh@watowa.net

あるいは…

https://kokucheese.com/event/index/587519/

…にお願いします。

https://allobulibrary-enent.amebaownd.com/

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▼夢幻百物語 小泉八雲
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【日時】2020年1月12日(日)13:00開演
【場所】おおぶ交流の杜図書館 こもれびホール
詳細は以下でお願いします。
https://allobulibrary-enent.amebaownd.com/

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▼AIと文化を考える公開シンポジウム
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【日時】2020年1月21日(火)15:00~18:00
【出演】安田登、川上彩子ほか
【場所】理研AIP 日本橋オフィス 会議室1-4
〒103-0027 東京都中央区日本橋1-4-1
日本橋一丁目三井ビルディング15F
理化学研究所革新知能統合研究センター(日本橋)
【参加費】無料
https://c5dc59ed978213830355fc8978.doorkeeper.jp/events/101840
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●最新情報はツイッターからお願いします
http://twitter.com/eutonie(安田登)
http://twilog.org/eutonie(安田の書いた分だけ読めます)

※このメールは、以前のメーリングリスト(以下ML)にご登録いただいた方と天籟能
の本番、ワークショップにお出ましいただいた方に送らせていただいております。以
降、このメールが不要な場合はお知らせいただければと存じます。

安田登拝